2026-05-12

透明なレンズで

普段はニコニコと穏やかな娘が、熱を出した。 母乳も全く飲まなくなって、機嫌が悪いまま、ずっと泣いている。小さな体が熱くて、ただただ心配な夜。

ふと、長男の時も、次男の時も、こんな風に息を潜めるようにして過ごした心配な夜があったな、と思い出す。 あの頃の私は、今よりももっと、ずっと余裕がなかった。

娘をなんとか寝かしつけたあと、スマホに眠る懐かしい写真を、暗闇の中でそっと遡ってみる。

画面の中の幼い息子たちは、どこを切り取っても可愛い顔しかしていなかった。なのに、どうしてあの頃の私は、あんなに毎日イライラして、毎日のように叱ってばかりいたんだろう。

きっと、レンズが曇っていたのだと思う。

今、少しだけ心に余白を持った自分の目で眺めると、そこには愛おしさしか残っていないのに。当事者の真っ只中にいる時は、その可愛さが見えなくなるほど必死だった。

おそらく、私にとって最後になるであろう、この子育て。

今夜の娘の泣き顔も、いつか振り返った時には「愛おしいひとコマ」に変わる。 だからこそ、もっと、もっと。 曇りのない余裕を持ったレンズで、この子の今をしっかり見つめていきたい。

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