2026-08-06
変なクセ

夏休み。娘は保育園、次男は学童へ送り出し、中学生の長男だけを連れて実家へ帰った。
時間が空いたので、久しぶりに父と盤を挟んでみる。
まずは将棋。結果は惨敗だった。
負けじとルールを無視し、父の持ち駒をすべて奪うという暴挙に出たが、どう足掻いても私の玉は詰んでしまう。
早々に将棋は諦め、次はオセロを広げた。101歳で亡くなった祖母とよく遊んだオセロなら分がある。結果、父のたった1手のミスを突き、あっさりと勝つことができた。
久々の勝利に喜んでいいはずなのだが、私には奇妙な癖がある。盤面に集中したあとでふと顔を上げると、向かいに座る相手の鼻や口が四角いドットのように見えてしまうのだ。
白と黒のマス目の残像が、父の顔をピクセル化していく。「おばあちゃんの顔も四角くなってるよ」と伝えると、よく笑ってくれたっけ。
せっかくの勝利の余韻も、シュールな視覚のバグと懐かしい記憶に上書きされ、どこか上の空になってしまった。奇妙で少し温かい、夏休みの午後のこと。
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