2026-08-14
くるみのカフェと、空しか見れなかった夏
ジブリの映画に出てくる、植物が溢れる部屋が好きだ。
部屋の中に緑が満ちている風景には、どこか心を落ち着かせる静けさがある。
有休を取った夫に誘われ、西国分寺にあるカフェを訪れた。
大きなガラス窓の向こうには青々とした木々が広がり、店内には殻付きの胡桃と木製のくるみ割り人形が置いてある。夫はマリネのサンドイッチを、私は胡桃を使ったアイスティーとブルーベリーのケーキを頼んだ。野菜のマリネの酸味と生地の甘みの対比を楽しみながら、穏やかな時間を過ごす。
カフェへ向かう道中、数年前に1ヶ月ほど寝たきり入院をしていた病院の脇を通った。
脳脊髄液漏出症で髄液がほとんど漏れてしまったあの日。
頭を起こすことが許されず、病室の天井と空だけを見て過ごしたあの夏。
当時は自分がどこに運ばれ、どこの病院にいるのかさえ分からなかったが、目と鼻の先にこんなにも緑豊かな場所があったのだと知る。
当たり前に歩き、美味しいお茶を飲み、たわいのない会話を交わす。健康であることの静かなありがたさを、夏の光の中で改めて噛みしめている。
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